Vol.21

一期一会が繋がる瞬間(とき)!

今回のVol.21はピンズとは全然関係のないお話です。 LogoholicMurmursで、今から2ヶ月程前の2000年2月17日にちょっとふれておきました、私の元へ突然舞い込んできた、あるメキシコ人女性からの1通のE−Mailについて書きますね。 私にとっては信じられないような偶然と、なかなか体験できない感動をもたらしてくれたこのメール、HRCを通じて今まで感じた事のなかった不思議な気持ちを味わう事が出来たのはとても嬉しく思います。 本当に暇な人だけでも、その暇つぶしに読んでくれたらいいな。 皆さんにうまく伝えられるかしら、この喜び。 90%くらいはノンフィクションでございます(笑)。


その日の私は、いつものように5時丁度に仕事を終え、帰宅後さっそくパソコンの電源を入れたのでした。 「今日は誰からメールが来ているかな?」と、毎日メールチェックをするのがとても楽しみで、もちろん広末涼子が足をワナに挟まれようが、ドコモの携帯でメールをチェックしたくなるというあの気持ちはよ〜くわかります。 とのたまう私が、実は携帯電話を持っていなかったりするもんで、仲間にも買え!買え!って言われてるんだけどね。

私の元へは毎日そんなに何十通ものメールが来るわけではないし、だいたい海外のトレード仲間や日本の友人、それにピンの質問のメールが時々くる程度なので、メールチェックにはそれ程時間はかかりません。 そんな平凡な日常を送るロゴホリックの部屋に、ただ一言だけ“gracias...(ありがとう)”というタイトルを載せたそのメールは、遥か地球の裏側から、何の前触れも無く届けられたのでした。

彼女の名前はアンドレア カナレスちゃん、推定年齢25歳(希望)。 ホットメールを利用している友人のアドレスを借りて、私にメールを出してくれたようです。 そのメールを読み始めた時は、(どうやら私のページを見て気に入ってくれたみたいだね。 嬉しいわあ、この人もロゴピン好きなのかしら?)等とつぶやきながら、それでも海外からわざわざホームページの感想を送ってくれる人も私にとっては珍しかったので、じっくり読ませていただこうと思っていたその直後、マウスを握っていた左手も、紅茶の入ったマグカップに手を伸ばしたその右手も、私の身体はすっかり動きを止め、少しにじんで見えてきたモニターから目が離せなくなったのでした。


ロゴホリック様 −

こんにちは、貴方のホームページを見つけた時、ハードロックカフェにとてもいい思い出がある私は、とても嬉しい気持ちになりました。 ある日メキシコのグアダラハラ市にあるプラサデルソルというショッピングセンターを歩いていた時、私は1人の日本人の男の子と知り合いになりました。 彼の名前は“ XXXX XXX ”といいます。 その人について、今でも特に私の印象に残っているのは、彼の愛くるしいまでの笑顔と明るい性格、そして東洋人特有の知性の感じられる男の子でした。 ハードロックカフェが大好きだった彼、日本に帰ってしまってからは連絡も途絶え、ずっと音信不通になってしまっています。 それでも2年前には、ここグアダラハラにも新しくハードロックカフェがオープンしたという事を、私がどんなに彼に伝えてあげたいと思っているか、貴方(ロゴホリック)には想像もできないでしょうね。 彼が貴方のホームページに気づいてくれたらどんなに素晴らしい事か、それでも今ではもうどこにいるのかわからないあの人に、今ここで1つの口づけと抱擁を送ります。 そして私の大切な友達の事を思い出させてくれた貴方に心から感謝しています。

Estimado Logoholic -

Hola, me gusto entrar en esta pagina pues me tiene gratos recuerdos Hard Rock. Un dia caminando por Plaza del Sol en la ciudad de Guadalajara en Mexico, conoci a un amigo japones muy interesante XXXX XXX. Lo que me llamo la atencion de el fue su linda sonrisa y al tratarlo me di cuenta de lo alegre e inteligente que son lo orientales. A mi amigo le gustaba mucho Hard Rock. He perdido contacto con el desde que se fue, pero no tienes idea de como me gustaria que el supiera que ya tenemos un Hard Rock en Guadalajara. Espero que el tambien vea tu pagina, y donde quiera que este XXXX XXX, le mando un gran beso y abrazo. Y para ti mi agradecimiento por permitirme recordar a mi gran amigo.

ロゴホリックのワンポイントスペイン語講座:


メールを全て読み終えた私は溶ろけた。 そう、いつか夏の暑い日に浅草で食べた、あの抹茶のソフトクリームのように。 いやいや彼女も、アンドレアちゃんも、その日本人の記憶が頭の中をまるでチビクロサンボに出てくる虎のようにグルグルと回り、溶けたバターだったはず(そうに違いない)。 なんて素敵な青春の記憶なんだろう! あれから8年間も、彼女はその日本人を忘れる事なく、思い出にしてくれていたんだね。

彼女の言う日本人の男の子の名前“ XXXX XXX ”というのは、ロゴホリックの本名だったのです。 そして彼女は、XXXX XXXという日本人が実はロゴホリックであるという事実を知らずに、自分の思い出話をメールで知らせてくれています。 すっかり2人だけの世界が作り上げられた私の脳裏には、お互い相手がその瞬間にいったい何を思い、何を感じて過ごしているのかもわからないまま、それぞれの心の内を1つのキーボードに託しているトムハンクスメグライアンの2人の姿(笑)。 しかし早速お返事のメールを書こうと思いたったそんなロゴホリックの前には、1つの大きな壁が立ちはだかっておりました。 それは、アンドレアちゃんって・・・、誰(涙)?

確かに私は、コレクションを始めたのはメキシコのグアダラハラという街で、友人に1つのロゴピンを貰った事がきっかけで集め始めたんだよ、とメインのページに英語で書いています。 それを読んだ彼女は“グアダラハラに昔住んでいた事があってハードロックカフェが大好きな日本人”という共通点から、私にメールを書いてくれたのだろうと思うけれど、たぶんピンコレクターではないと思われる彼女は、何故、どうやって私のホームページにたどり着いたのだろうか? ところで彼女は、“ショッピングセンターを歩いていた時に知り合った日本人の男の子”と書いていますが、何? それってナンパじゃん? あたしゃそんな事した覚えはないよ。 しかも当時HRCのピンを集め始めて間もない、まだ中毒症状も出ていなかった私が、1度や2度くらいしか会った事のないだろう彼女に、「僕ったら、HRCのピンを集めているのさ。」なーんて話をしたのだろうか? その頃からアンドレアちゃんまで無意識にピンコレクターにしようとする洗脳の素質があったとか? 謎は深まるばかり・・・。

私の頭の中に浮かんでくる、貴方の綺麗に違いない顔立ちはおろか、その清楚な雰囲気がヒシヒシと伝わってくる素敵な御尊名すら、今の私にはどうしても思い出す事が出来ません。 おそらくマライアキャリーを5歳くらい若くして、ちょっとスレンダーにしたタイプのセニョリータは、けなげに細い指でパソコンに向かい、一生懸命に自分の思い出を私に伝えてくれたのでしょう、あ〜本当にごめんなさい(泣)。 それでも私の名前のスペルを一字一句間違える事なく書いてくれている彼女、8年前の私は確実に君に出会っていて、おそらくあのショッピングセンターの中心にあった、若者たちの集いの場所でもあるデニーズあたりで、メキシコ国内限定メニューのタコスなんぞをほおばりながら、私のお気に入りだった御砂糖をタップリ入れたマンサニージョティーを二人仲良く飲み交わしたりしていたハズなのだ。 何故ってそれがこの私の、女の子とお話する時のいつもお決まりのコースだったから(ウソ)。 それなのに何故貴女は、いつしか私の心から離れて行ってしまったの?(オマエが忘れてるだけだろ)


彼女はグアダラハラにも2年前にHRCがオープンしたという事をその日本人に教えてあげたかったと言っているのに、この私ときたらそんな事はツユ知らず、HRCグアダラハラのオープンより数ヶ月も前に、既にアメリカのコレクター達や、グアダラハラと同じハリスコ州にあるHRCプエルトバジャルタの知り合いのスタッフ、はたまたメキシコ中の仲間を東奔西走させ、オープンの日程を徹底的に調べあげていたのでした。 (HRCグアダラハラのオープニングピンは、銀製で定価がUS$25もするらしい)と聞いていた私は、98年11月18日のオープニングには入荷が間に合わなかったこの限定ピンをGETするため、結局そのピンがようやく入荷された12月21日までの1ヶ月以上の間、約6、7人のメキシコ人の友人達を日替わりで毎日発売チェックに走らせていたの(大迷惑!)。 彼らと1ヶ月以上も毎日のように同じ話題についてメールをやり取りしていれば、みんなの心の中には知らず知らずのうちに(どんな事があっても必ずGETしてやろう!)という思いやり(笑)の精神が芽生えてきていたようで、私自身5〜10個くらいは手に入るかな?くらいに思っていたのに、彼らのうちの1人から第一報が届いたとたん、全員から一斉に「喜べー!なんとか手に入れたぞ!」というメッセージが届き、しかもその誰もが「ピンの5つや6つ、わざわざお金なんか送らなくてもいいからね〜。」という、なんとも気前のいいありがたいお言葉の数々を頂きまして、結局35個も届いちゃった(いいのかよ)。 だからメキシコ人って好きさ♪

1. Guadalajara Opening Staff Logo w/Blue Ring
2. Guadalajara Grand Opening Sterling Silver Guitar Tac Back
3. Guadalajara Grand Opening Sterling Silver Guitar Clip Back

って、そんな事話してる場合じゃないぞ。 いったい彼女にどんな返事を書いたらいいのだろう? 私はイロイロ考えましたが、結局正直に全てを話す決心をしました(エライ)。 ロゴホリックの名前で1度メールを出し、後になって実は私がその時の日本人です、なんて打ち明けるのは気分悪いもんね。 だけど、やっぱりオープニングピンを発売日にGETしたとか言いづらいよねえ。


アンドレア様 −

思いがけない突然のメール、大変嬉しく何度も読み返しました。 グアダラハラでの2年半はとても楽しく、毎日スペイン語の勉強はもちろん、旅行に行ったり、たくさんの友人と過ごした日々が懐かしく思い出されます。 あれからもう8年も経つんですね。

君がプラサデルソルで会った日本人はこの私です。 その私がロゴホリックであるとは知らずに君がメールをくれた事、今でも信じられません。 そして君がどうやって私のページにたどり着いたのかとても不思議に思っています。 いやそんな事より、この素敵な再会に2人を導いてくれた神様にとても感謝しているのです。

私の事を覚えていてくれた君に対して、今の私は申し訳ない気持ちでいっぱいです。 たった2年半のメキシコ生活でしたが、私にはたくさんの友達ができました。 毎日の彼らとの楽しいコミュニケーション、少しずつメキシコの文化を堪能しながらもスペイン語の勉強で精一杯だった私、残念ながらどうしても君の名前を思い出す事ができません。 もしかしたら私は君の本名を知らないまま、いつも愛称で呼んでいましたか? それとも他の友人と一緒に知り合ったので、うまく自己紹介する機会もなかったのでしょうか? 初めて出会ったその時のシチュエーションさえわかれば、必ず君の事も思い出せると思います。 小さな一点の曇りを残したこの私の記憶を、どうかひもといてください。 君からの返事を心から待っています。

XXXX XXX、ロゴホリックより


はたして彼女からの返事は如何なものだったのでしょうか? それは皆さんの御想像におまかせ致します。 次回のメキシコ出張はいつになるのか? 今はただ、ウチの社長の鶴の一声を心待ちにしているのです。

最初のメールをもらった時、私は数人のメキシコ人の友人にどんな返事を書いたらいいものかを相談しておりました。 すぐに独自の意見をメールしてくれた彼らには感謝していますが、その中には参考になるものが1つもありませんでした。 私がこんなにも真剣に悩んでいるのに、どうやらみんな面白がってしまったようだね。彼らのコメントは以下の通り:

親身になって相談にのってくれないラテン系のヤツら。 だからメキシコ人って嫌いさ。

興奮ぎみのロゴホリック、今日はちょっと眠れそうにないね。


Vol.22

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