Vol.25-1

THE LONGEST DAY! <史上最大の作戦>

昨年の9/9/99、ラスベガスのハードロックホテルで行われたピンコレクターの祭典“PINDEX”。 朝から晩までピンズづくしのイベント、もし自分が参加出来たならどんなに楽しい事だろう(妄想)と、今年の正月に私が掲げた大きな目標は、“今年こそ海外のピンイベントに参加する!”。 今回初めて体験した海外遠征“PINDEX2000”は、その全てが新鮮で、イベント会場を埋め尽くす程、見た事のない程の膨大なピンズの数々に囲まれ、多くの有名コレクター達と知り合い、また予想以上の大収穫(ロゴピン含む)をもたらす等、私のHRCピンコレクター生活10年目を飾る(大袈裟ね)忘れられない3日間になりました。

今年の1月、ロゴスピのVol.20を更新した翌日には、早速日本のコレクター達からも、「ぜひ一緒に行きましょう!」という嬉しいメールも何通か頂いておりました。 それでもその当時からは9ヶ月も先の事、各々の事情やスケジュールの都合等で、実際にハードロックホテルからの案内メールが届いた夏の時点では、ラスベガス行きが確定していたのはたったの2人・・・、これじゃちょっと寂しいな〜。 日本のコレクターをなめんなよ!と海外のコレクター達に強烈なインパクトを与えるためには、1人でも多く、もっと強力な参加希望者を募らねば!と、CiERA.NETの管理人と、“ウンチク大王B”と呼ばれる(というか私が名づけた)HRCジッポー大御所コレクターの2人に執拗な洗脳を繰り返し、イベント2週間前になってようやく彼らの意志もカチンカチンに固まり、新たに加わった2人の心強い同志と共に、遂にそのイベント開催地、憧れのラスベガスへ乗り込んだのでした。

な〜んてね、彼ら2人も実は最初から行こうと決めてたんでしょ? 「いやー、まだちょっと行けるかわかんないッス。」とか言いながら、私の知らないウチにしっかりホテルの予約も飛行機の手配も全て終わらせ、イベントの直前になって「やっぱ、行くね♪」と電話で報告してくるとは見上げたヤツら、猪口才な男達である。 日本からの仲間が少なくて、ホントはちょっぴり(ぶははは)寂しかったんだぞ〜(本音です)。

Room Key Cards

イベントの日程は、まず9月5日(火)の夕方6時から、ホテルのプールサイドにて立食(タチグイ)パーティー。 私がホテルに着いたのは夕方5時半くらいだったかな? ホテルのチェックイン時には、その日のために作られた財布兼入場パスと、限定デザインのカードキー、そしてイベント参加者のみが貰える“アーリーバード”という非売品のピンを受け取り、初めてのハードロックホテルの部屋へ向かいました。 私と同室に宿泊する予定のアメリカ人“F”は1日遅れで到着と聞いていたので、荷物だけ置いたら早速パーティー会場へ向かおうと思ったんだけど、なんせ初めて来たからね、私は何処、ここは誰?状態・・・。 広いホテルの中を15分以上もさまよい歩き、ついでに財布に入っていた25セントコイン4つをスロットに飲み込ませ(さっさと行け)、ようやくたどり着いたプールサイドでは、既に前日の月曜日からラスベガス入りしていたCiERAとウンチク大王Bの2人が、それぞれお気に入りのカクテルを片手に、立食用のテーブルに肘なんぞついてキメのポーズをとりながら(笑)、世界中から集まってきた海外のコレクター達と、堂々の名刺交換&自己紹介を英語でしていた(当たり前か)。 なんてカッコいいんでしょ、絵になるこの2人。 ここへ来たら誰もが主役、まるでディズニーランドのようである。

このパーティーには私の知り合い(と言っても会うのは初めて)のコレクターが世界中からたくさん来ているハズである。 私はパーティー会場に着くやいなや、(よーし、1人でも多く見つけて2人に紹介してあげよう♪)とあたりをキョロキョロ。 しかしこちらも、ほとんど相手の顔を見た事がない。 さあ、どうするどうする?

しょーがない、とりあえず私も何かドリンクを頼んで旅の疲れを癒そうじゃないか(ふふふ)と、グラスからコボレそうな程に注がれたジンジャーエールを片手に仲間のテーブルに向かい、さてどんなキメのポーズをしてやろうかと考え始めていたその時、「オーオー、アンタガロゴホリックデスカ?」と私の背後から呼びかける声。 続いて正面から、「ハロー、ロゴホリック!」とニコニコしながら挨拶してくる山男、じゃない、山のようにデカイ男登場! (おおっ、みんなオレの事知ってるぞ♪ ところで親しげに話しかけてくるアンタら、誰?)と心の中で満面の笑みを浮かべながら、わざとらしくも彼らに、「皆さん、ここに日本人の仲間も2人いるってのに、よく私がロゴホリックだとわかりましたね〜。」と話しかけると、私の期待を見事に裏切った彼らの一言は、

外人の2人: 「名札を見たよ♪

ロゴ: 「・・・・・、あそ。」

その後、みんなで楽しく語らいをしていると、今度はホントに私の知っているコレクターがやって来た。 ようやく彼らに紹介できるよと、ニコニコ顔でご挨拶♪ 「あらあら、初めてお会いいたします、私がロゴホリックですっ! で、こっちの2人が日本から一緒に来た私の友人でね・・・」

日本の2人: 「あ、この人! ゆうべイヤっちゅー程トレードしてもらったよ! もう、ウハウハ!」

ロゴ: 「・・・・・、あそ。」

たった1日遅れて来ただけで、ここまで差をつけられるとは! 既にレアピンいっぱいGETしたんだろうな・・・。 オレの分なんて、もう残ってないかも・・・(涙)。 それにしてもこの人達ったら、すっかりベガス通・・・(誤)。 私のいない間に、いったいキミらは何処まで行っちまったの?


日本の仲間2人はカクテルパーティー等どうでもいいらしく、「今からホテルの部屋でトレードするんだけど、君たちも来るかい?」というアメリカ人コレクターの魔法の一言に、瞬時に心を奪われてしまったようです。 そりゃそうね、ピンのトレードが目的でラスベガスまで行ったんだから、1つでも多く、面白いピンを手に入れないとね。

「そういう訳で、僕らは彼の部屋に行くけど、ロゴぴーはどーする?」という2人の言葉に、少々ヒガミっぽくなっていた私は、「オレってば、まだトレードの支度をな〜んもしてないもんだから、1人でカジノに行くさ。」とホールに向かったものの、(やっぱりオマエもトレードに行くべきだ)という私のコレクター魂に呼び戻され、結局教えられた661号室を覗きにいったのでした、主体性のない私。

部屋に着いた時には、既にトレードの真っ最中だったCiERAとウンチク大王Bの2人。 その目つきたるや、まるで獲物を狙うハンターの様である。 さすがに日頃から世界中のピンズのチェックを怠らない彼ら、次々と欲しかったピンをハントしていきます。 特筆すべきは、何事に於いても沈着冷静に行動するウンチク大王B、エクセルで作ってあった自分のコレクションリストは全てプリントアウトして持ち込んでいる、その数ざっとA4シートで40枚! おまけにウォントリストまで作成して、欲しかったピンをGETする度にチェックを入れていくというその周到な言動の1つ1つは、私達に与えられた3日間という短い時間を少しでも有効に過ごすための、全てはあらかじめ計算された上での振る舞いだったのだ。ちくしょ、オレも負けていられないぞと、早速このアメリカ人さんに頼まれて日本から持って来たピン数十個を引き渡し、額縁に入ったピンの数々(全てトレード用)をしらみつぶしに眺め始めたのでした。

「ヘーイ、ロゴホリック。 なんか欲しいピンはあったかい?」と問いかけるアメリカ人。 そりゃあるけどさ、どれを選んでいいものやら、見当もつかないの。 ところでこの人、先日インドネシアに行ったって聞いたけど、ここにあるHRCバリのアニバーサリースタッフピンはその時GETして来たのかね? なんで20個もあるんだろ・・・? 我々の想像を遥かに上回るトレードしてるんだろうねえ。 結局オススメのピンを幾つか選んでもらっちゃいました。

アメリカ人: 「コノピンハ、タッタノ80コシカツクラレテナインダヨ。」

ロゴ: 「じゃ、それ。」

アメリカ人: 「コノピンハ、ハツバイビニ1ジカンデウリキレタラシイヨ。」

ロゴ: 「じゃ、それ。」

アメリカ人: 「コノピンノデザインキレイダロ、ナカナカモッテルヤツイナイヨ。」

ロゴ: 「じゃ、それ。」

(ホントにコレでよかったのか?)


楽しい時間はあっという間に過ぎてゆくもの。 ピントレードのイベントは明日からだっちゅーのに、3人ともすっかりお腹いっぱいです。 その夜はツインの部屋に1人で宿泊の予定だった私は、2人がどんなピンをGETしたのかチェックしなきゃならないからねと、しっかり彼らの部屋に潜入しました(1人じゃ心細いし)。 各々その日に手に入れた収穫ブツを見せ合いっこ、コレクターには至福のひとときである。 そんなひとときもCiERAの彼ときたら、ウンチク大王Bと私がベッドの上に並べられたピンズをいつまでも嬉しそうに眺めているのを横目に、どこから取り出したのか極上のバハマ産葉巻を1人楽しみながらこう呟いた。

ヴェガスのネオンが目にしみるぜ・・・。

手品師かオマエは、1人だけカッコよくてズルいぞ。 私も負けずに窓の外にキラめくベガスの夜景に遠い視線を送りながらこう呟いた。

ナムコランドより全然デカイね〜♪

3人とも日本から持っていったトレード用のピンは、そのほとんどが最近のイベントピンだったハズなのに、無理してラスベガスまで足を伸ばせばホラ、みーんな海外の欲しかったピンに変わるんだよ。 ラスベガスったら夢の街♪

私は日本を離れる前に、Murmursで宣言しておきましたね。 そう、必ずやカジノで勝ってくると! ほんの数ヶ月前に見た、”アメリカ人の若い女性がスロットで37億円の大当たり”というニュースがなんとも印象的で、それでもいろんなフィーチャーが合わさって、初めてそんな現実離れした数字になるんだろうねと思っていたのに、ただスロットでJOKERを3つ揃えるだけで数千万円も夢じゃないと知った私、初日の夜は明け方の3時半までカジノに熱中してましたが、さすがの私もジャックポットは出せなかったの。 今ごろ金髪のお姉さん達に囲まれて、7つの海を豪遊しているハズだったのにねえ。 それでもその夜は“777(スリーセブン)”を連発したロゴホリック、あっちゅー間にメダル・・・じゃない25セントコインを1000枚程稼ぎ出し、翌朝はしっかり仲間にご馳走させられたのでした。

初日の私はこんな感じでしたよ。 まずまずの好スタートだったかしら? さあ、明日はいよいよ本番だね。 いったい幾つのロゴピンがGETできるのだろうと思いめぐらし、ベッドに入ってもなかなか寝つけませんでした!

というのはウソで、自分でも呆れる程グッスリ眠れたの。 そう、待ち合わせの時間に遅れるくらいね♪

2ページ目に続く


Vol.25-2